代表かどうかにかかわらず、会社の取締役には、会社法上、従業員とは違った責任があります。
 例えば、取締役はその任務を怠ると会社に対して損害賠償責任を負う場合がありますし、会社の債権者などの第三者に対しても直接に責任を負う場合もあります。
 会社の経営に関わる者として、自覚を持って取締役となっている場合は職務に応じた責任ということでバランスがとれているのでしょうが、取締役の定足数などの関係で、例えばただ従業員なのに、名前だけでもということで取締役になってしまっているケースも見受けられます。
 ところが、名前だけだから責任は負わないというわけにはいきません。
 取締役として思わぬ責任をとらされる可能性があります。
 会社の側からしても、長い任期で取締役にしておいたところ、その後退職してしまって連絡がつかないなどといったことになり、対応に苦慮することもあり得ます。
 取締役になる、ならない、会社からするとだれを取締役にするかは、その任期も含めてよく考えないと後々大きなトラブルとなることがあります。