破産をされる方にとって,20万円の引継予納金の準備は大変なことだと思います。
しかし,管財手続がとられる場合,引継予納金の準備は不可欠です。

よくある例として,弁護士が代理人として入ってから,毎月一定額を弁護士に予納金の一部としてお預けいただき,引継予納金を分割して用意する方法があります。

たとえば,弁護士が間に入ってから,4か月の間に5万円ずつ用意する場合です。
これまで月額5万円の返済に苦しんでいた方にとってみれば,その分を予納金の準備に充てていただくことになります。

この場合,引継予納金の準備と破産申立ての準備を平行して行う形となります。

もう一つは,保険等の財産を切り崩すことも考えられます。この場合,直前に財産を流出したなどといった疑いをかけられないよう,現金化した部分の使い途を客観的に説明できるようにすることが重要となります。

引継予納金を分割で用意するにしても,一定の財産を切り崩して用意するにしても,借金の返済が難しいと思われたら,早めに弁護士のアドバイスを受けるとよいでしょう。

時機を逃しますと,引継予納金を全額準備できる時期が遅れたり,弁護士のアドバイスを受けられず,切り崩す財産を別の目的で費消してしまい,引継予納金自体を準備する目処が立たなくなってしまうなどといった事態になりかねません。

とりわけ一定額の財産をお持ちの方については,破産の申立ても計画的にする必要があります。