相手がいわゆる仮面夫婦だった場合,損害賠償請求を受けた者は,不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになるでしょうか。

浮気が違法行為だとしても,不法行為に基づく損害賠償責任が認められるためには,その他の要件も満たさなければなりません。

今回は要件の一つとして,「相当因果関係」が問題となります。

因果関係とは,簡単にいえば,「あれなければこれなし」の関係をいいます。
そして,相当因果関係とは,あれなければこれなしの関係があることを前提に,当該行為によって当該結果が発生するのが法的な観点から相当と認められる場合をいいます。

この相当因果関係が認められなければ,損害賠償責任は否定されることになります。

本題の不貞行為に基づく損害賠償請求のケースでいうと,夫婦の一方と浮気相手が交際に至った際,既に一方の夫婦関係が壊れていると認められる場合は,不貞行為と損害との間に相当因果関係はなく,損害賠償責任も否定されることになります。

このような場合に損害賠償責任が否定されるのは,いくら法律上の夫婦といっても,婚姻関係が既に破綻している以上,当該交際,浮気によって,夫婦の一方の「夫(妻)としての権利」が侵害されたとはいえないからです。

大宮桜木町法律事務所では,上記が争点となった案件について,請求する側,される側双方とも多数扱ってきましたので,お困りの際はご相談下さい。