婚姻費用の支払時期は通常別居時からと考えられています。

 しかし,実務では,支払義務者が任意の支払に応じない場合には,権利者が請求した時期,具体的には調停又は審判の申立時とされることが多いといえます。

 その結果,権利者からすると,別居開始から相当期間経過した後に調停又は審判を申し立てた場合,義務者が上記期間の未払い婚姻費用の支払いに応じないと,調停又は審判申立てまでの間の未払い婚姻費用が支払われない可能性があります。

 たとえば,平成25年5月に別居を開始し,調停を申し立てたのが平成25年12月だとした場合,平成25年5月から平成25年12月までの間の婚姻費用が認められないケースがあるということです。

 権利者の方が経済状況に不安のある場合,別居と同時に婚姻費用分担の調停を申し立てる必要があるケースもあるでしょう。

 一方,支払の終期についてみると,こちらは明確で,離婚成立までとなります(もちろん,復縁したときは別居解消時までとなります。)。