夫婦双方の離婚協議が整わない場合,裁判を起こす前に家庭裁判所宛て調停を申し立てなければなりません。
これを調停前置主義といいます。

それでは,どこの裁判所に調停を申し立てることになるでしょうか。

離婚調停のような家事調停事件の管轄は,相手方の住所地を管轄する家庭裁判所または当事者が合意で定める家庭裁判所となります。

たとえば,別居中の妻が夫を相手に離婚調停を申し立てる場合,夫が,夫婦の同居していたさいたま市大宮区内に居住していれば,浦和にあるさいたま家庭裁判所に離婚調停を申し立てることになります。
因みに,たとえば,相手が埼玉県加須市に住所地を置いている場合,離婚調停は,久喜にあるさいたま家庭裁判所久喜出張所となります。

となると,相手の所在が分からない場合,どの裁判所に調停の申立てを行うべきかも分からないことになります。
また,仮に申立てができても相手が出廷せずに調停が不調となり,裁判にまで持ち込まれる可能性があります。そのような場合は,弁護士にご相談されるとよいでしょう。

弁護士であれば,職務に必要な限りにおいて相手の所在調査のため必要な手続を行うことができます。また,調停では終わらず,裁判が見込まれるケースでは,仮に財産分与などお金の問題がなかったとしても,弁護士対応が必要となることもあるでしょう。