解雇の制限

解雇は、会社の一方的な判断で行われるものですが、制限がかけられています。
客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合には無効です(労働契約法16条)。
解雇権濫用というわけです。

ただ、これだけでは一般的で、どのような場合に要件を満たすのかが分かりません。
解雇には種類がありますし、実際には、事案ごとに、裁判例なども参照しながら検討していくことになります。

その他、個別法令によって解雇制限がされているものもあります。

解雇をする場合、原則として、会社は、少なくとも30日前に、解雇予告をする必要があります。
この予告をしない会社は、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。

なお、予告日数は、1日について平均賃金を支払った場合は、日数を短縮できます。

これには例外もあり、たとえば、労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合は、除外認定を受ければ、解雇予告や予告手当の支払いはいりません。
また、労基法21条の例外もあります。

この解雇予告義務を履行してさえいれば解雇が有効になるという意味ではありません。
解雇には、「解雇の労働問題1」でお話したように、客観的に合理的な理由と社会通念上相当であると認められることが必要です。

解雇は、客観的合理的理由があり社会通念上相当でなければ無効です。

解雇を争う方法

解雇を争って無効にするためには、交渉等の裁判外の手段を検討することはもちろんですが、話がつかないときは、法的手続をとることがあります。

その場合、仮処分、本訴、労働審判といった方法があります。
たとえば労働審判を選択した場合、和解的解決が図られることも多いです。

弁護士に依頼するしないは自由なのですが、少なくとも法的手続をとるときは、専門的なこともありますので、弁護士の助力を得た方が良いように思います。

逆に、企業側としては、解雇をする場合、上記ように解雇要件を満たさないと無効になってしまいますので、事前に、よく検討することが必要です。
もし、解雇が争われて、後で無効となったら、それまでの賃金相当額も支払わされることに、なりかねません。